花粉症

花粉症は『早めの対策が効果的』です!!

花粉症

春の花粉症のアレルゲンとされる樹木の中で代表的な杉の木は日本では南は屋久島から北は青森までの山に生えている、または植えてある、日本人にとって非常に身近な樹木です。

この日本の杉はヒノキ科スギ亜科スギ属に属する日本だけの固有種であり、その点からスギ花粉症は日本に多くみられる現象なのです。

海外に生息するヒマラヤスギなどは松科の樹木であり、日本の杉とは花粉が違うのです。

秋の花粉症のアレルゲンとされるブタクサやヨモギは日本全土に広く分布し、道端や道路脇、空き地などで見られます。

したがって、日本人は年に2シーズンも花粉と戦わなくてはいけない環境なのです。

花粉症は一度発症すると治りにくく、今後も花粉症に悩まされる方は増加していく傾向です。

花粉症は近年では幼少期から発症しているほど、日本人にとって国民病となっている症状です。

また、2~3歳で花粉症にかかるお子様が珍しくないくらい、子どもの花粉症は年々増えており、大人の発症率とさほど変わらなくなっています。

子どもの花粉症の症状は、大人同様にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目や鼻のかゆみ、咳(喘息)といった症状が起こります。

ただ、子どもはこのような症状を自分の言葉で説明できないので、大人が注意深く観察し、状態を把握する事が大事です。

かゆみ等を我慢するのは、大人でも大変です。

また、花粉症の症状が睡眠や学業、心身の成長や発達に影響を及ぼしかねないので、出来る限りの対処をする事が大切です。

また、花粉症が副鼻腔炎や中耳炎の引き金になったり、それらの治りを悪くする場合もあります。

そのため、「風邪の症状なのか、花粉症なのか?」この判断が非常に重要になってきます。

コップ理論とシーソー理論

皆さん、花粉症の「コップ理論」を聞いたことはありますか?

コップの水が溢れるように、体内に蓄積される花粉の量がある一定量を超えると発症する、という説です。

以前はこの理論が提唱されていましたが、これでは説明がつかない部分もあり、現在では「シーソー理論」が提唱されています。

このシーソー理論とは、シーソーの片方がその年の花粉飛散量、もう片方がその人の抵抗力(免疫力)とします。

その年の飛散量が多い年、または免疫力などが低下して自身の抵抗力が落ちているときにはシーソーはそちら側に傾き発症してしまいます。

逆に飛散量が少ない、または自身の抵抗力が高ければ、シーソーはバランスを保ち発症を抑えることができます。

この「シーソー理論」では次のような対策が効果的と考えられます。

  • 花粉が身体に入る量を抑える
  • 免疫のバランスが崩れないようにする
  • 睡眠をしっかり取る
  • 食生活を整える
  • ストレスを避ける

これらを踏まえて、まずは自分で出来る対策も大切なポイントです。

自分で出来る花粉症対策

『なるべく花粉に触れないこと、避けること』が重要です。

  • 通常のマスクで花粉を吸い込む花粉を約70パーセント削減。
  • 通常のメガネで約40パーセント、防御のついた花粉症用のメガネでは約65パーセント減少すると言われています。
  • ウールの服には花粉が付着しやすいので化繊や絹、綿の素材を着用し、室内へ入る際に叩くなどをしてなるべく室内に連れ込まないようにすることをお勧めします。
  • そして外から帰ったら、うがい・手洗い・洗顔は忘れずに。
  • なるべく空気清浄機を活用し、換気などで窓を開ける際には、幅を10センチ程度にし、レースのカーテンをすることで室内へ流入する花粉をおよそ4分の1に減らすことができるという報告もあります。
  • 洗濯物や布団は外に干すのを控える。
  • 部屋の掃除、エアコン、空気清浄機のフィルターをこまめに清掃する。
  • 花粉の時期は長時間外に滞在する(遊ぶ)のは控えましょう。

このような対策を、花粉の飛散ニュースを耳にする頃からご家庭で心がけることをおすすめします。

花粉症の検査と治療

花粉症の治療の開始時期は、花粉の飛散量が増える少し前から治療に取り組むことで、ピークとなる時期に症状が軽減される可能性があります。

発症後は炎症の抑制が効きにくくなるので、花粉の飛散量が増える前から、早めに薬物療法を始めると効果的です。

薬物療法を始めるために最も重要なのが、「花粉症かどうか?」です。

まだ、花粉症かどうか診断がついていないお子さまも、春先や秋口に鼻づまりや咳、くしゃみなどが多発しているな、など過去に気になる症状に思い当たる方は早めに受診をして、医師の診察を受けることをおすすめします。

血液検査などで科学的に解明することで不便や不快さを軽減するお手伝いをいたします。

一人ひとりと向き合い診察することで、お子さま一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療方法で的確に治療することが、お子さまの身体にいちばん負担のかからないのは間違いありません。

また、ご負担いただく費用の面でも、市販薬を服用するのに比べて少なくすみます。

当院では、大切なお子さまが健やかに成長するために少しでもお手伝いできるよう、火曜日午前担当 山田佳之医師(東海大学教授) アレルギー専門をはじめ、小児科専門医が担当いたします。お気軽にご相談くださいませ。